抽象化の力

「興味」について語る場合、趣味や好きなことが話題の中心となります。しかしその「趣味」はなぜ生まれたのでしょうか。なんとなくの趣味であっても、その背後には固有の理由があります。それを言語化するのは非常に難しく、「好きなものに理由はない」といった乱暴な説明で終わることもしばしばです。

今回の富山大ワークショップは「好きなこと」の根元に迫るタスクでした。趣味の分析を通して学生固有の「本質」に迫ります。そのために「抽象化」という手続きを経ました。

しかし今回のワークショップでは、この抽象化で生み出される言葉が非常に多くて驚きました。学生の内面を少し刺激するだけでとてつもないほどの言葉が溢れていきます。これを裏返すと、学生の「語り」をじっくり外化する機会が少ないことに気づきます。学生の声をしっかり聞く機会、それも「好きなこと」という否定不可能なテーマを語らせる機会を設けることの意義の深さを感じます。

今日の感想はまた別の機会にしっかりまとめようと思いますが、これからも学生の言葉を聞く機会を設け、そこから研究を展開させようと決意を新たにしました。

仕事の後で疲れていて短いですがご容赦を。