「過程」に注目する

この業界は得てして目標が就職となるため、その条件となる「全国誌掲載」「競争資金獲得」「政府給付金留学」といった「結果」が重視されます。「結果を出すこと」は意味がありますが、「結果が出る=素晴らしい」とはダイレクトに言い切れません。勝負の世界は時の運ですので、そのときの様々な条件がプラスの要因に働くことが結果につながります。逆にいうと、実力があっても運に見放されると勝利は得られないのです。

このようなことを言うと「結果を出せるのが実力だ」という話になりますが、そもそもポストが極端に少なく、PDがインフレを起こしている現在、結果には運の要素が大きく関わります。そんな時代に僕が尊敬できるのは、結果にかかわらず継続している人です。

もちろん、ただ続ければいいと言うのではありません。毎回の勝負で課題発見を行い、自分を成長させ、チャレンジを諦めない人に強く惹かれます。

これを教育に当てはめると、合格にたる成績を出したり、資格をいくつも取得したりということはもちろんですが、自分の必要性に応じて学び、変化し続けている学生こそ評価したいのです。というのもそれこそが汎用的技能(ジェネリックスキル)の生成だと考えているからです。

学生が変わりゆく過程に潜む、未分化でダイナミズムに満ち溢れた生成のエネルギーは本当に魅力的です。その力を身につけることで、仮に失敗をしようとも、次のステージに自分を進めることができるはずです。

そのような力を測るためには、実は「期末試験で合格点を取る」ことを目標にしてはいけないのです。大学改革、そして入試改革は、そういった未分化で生成過程にある力の発掘と繋がるべきであると考えています。