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今一番やらねばならないのは富山大学での新ワークショップです。ワークシートを作ったり、動きをデザインしたりと、細かい作業を詰めていきます。

しかし僕は基本的にそういった作業を早めに終わらせる癖があります。そうしてその次に控えている仕事をこの時期に行うのです。今回で言えば八月末の講演です。

今回はアカデミックとは異なる場所で、「受け継がれるもの」というテーマを与えられています。ここで簡単な話をせず、堀辰雄とプルーストの比較に加え、ボードレールと万葉集を加えようと、毎日テクストをひっくり返しています。

この作業を富山ワークショップの直前に行うことで、両方のシナジーが少しずつ生じてきます。たとえば死生観がアニミズムの時代から現代に受け継がれる過程で「個人の内面」というファクターが大きく関わったこと。この「内面」は文化を超えた普遍性を持ちます。このあたりの考察は、個の内面の価値観を分析し、学問への関心へと発展させる今回のワークショップの方法論と親和していきます。ここに気づくと、学生と社会人という二つの世界を相手に語る中に、何かのつながりを見出せるわけです。ここで「大学」が舞台となるワークショップが、具体的な「社会」を見据えた議論へと発展する可能性を獲得するのです。

「つなぎ」の基本は「早めの仕事」と「マルチタスク」なんですね。