RPK2019を支えてくれた人たちへ

基本的に、人間の挑戦には優劣がないと考えています。我々研究者は「査読通過」に向けて頑張りますが、学生たちはavoirの活用を覚えるために勉強をします。確かに種類は違いますが、学生たちにとっての「目標の達成」は尊重すべきだと思います。

そんなことに関係してか、僕自身は「自分の専門(文学)」と「フランス語教育」を違和感なく繋げています。壁を越えようとする学生の姿は、壁を越えようとする自分の姿と一緒なのです。

基本的に「フランス文学研究とフランス語教育」は僕にとって矛盾しません。関西フランス語教育研究会の年次大会(RPK 2019)のテーマである「○○研究とフランス語教育」は複数人の発案ですが、僕も発案者の一人です。そしてこれは自分のうちから自然と出てきたものです。

ただし、自分の「確信」を「説得的なもの」にするのはとても大変でした。それゆえにアトリエ参加募集の文章を書くときもずいぶん悩みましたし、自分のアトリエ(フランス・トライアングル研究会)やTable Ronde(雑談シンポジウム)の企画もめちゃくちゃ考え抜きました。「フランス語教育はフランス文学研究と変わることがないのだ!」という信念を主張するために、多くの仲間に支えられ、何段階もの手続きを経ねばならなかったのです。

フランス・トライアングル研究会は、フランス語の授業後の雑談から生まれました。「フランス語と関係していない」という自己批判を胸に、日常を生きることとフランス文化を学ぶことを関連付け、それをフランス語の習得に繋げていく力を学生が身につけられるよう、かなりの時間をかけたと考えています。

雑談シンポジウムも、企画段階から多くの人に支えられ、多方面から様々なヒントをいただき、最後にはパネリストに助けられ、成功させることができました。「フランス語教育」と「専門研究」を同一直線上に考える仲間たちとともに努力することができたのは、自分の中でとても重要な経験です。

はい、こんなことを今さらつらつら書いてきました。ちょっと違和感を覚えた出来事があったのです。ここで詳しくは語りません。ただ、その違和感からRPKを眺めたときに、今年度の大会の裏に素晴らしいほどの力が集結していたのだと理解した次第です。

僕が言いたいのはたった一つ。この企画を立てるために、自分を含めた多くの人の努力があったのだ、ということ。RPKはそういう有志たちで構成されているのだ、ということ。その意思を理解した学生たちがアトリエに参加してくれたのだ、ということ。

それゆえ、何のことかわからないかもしれませんが、皆さんにお礼を言わせてください。皆さんがいてくれることに心から感謝しています。